抄録
LRTは旧来の路面電車に比べて低騒音・低振動の軌道交通であるとされているが,繁華街の街路では,歩行者がLRVの接近に気付きにくくなる原因となる可能性がある.そこで,本研究では,海外のトランジットモールを走行するLRVの発する騒音レベルを実際に測定し,歩行者がトランジットモール上の軌道をどのようなタイミングで横断するのかについて音の面から分析を行った.
分析の結果,接近するLRVの発する音が街路の静寂時の騒音レベルを超えるようになると軌道横断をやや控える傾向になり,定常的な暗騒音レベルと同程度になると大きく横断者が減ることがわかった.