マルコフ連鎖配分(MCA)はその操作性の高さから近年再び注目を集めているものの,1)過大なサイクリックフロー,2)ネットワーク条件に依存する計算不可能性,3)IIA 特性の増幅という課題を残すことが知られている.本研究では上記の課題を解決するローディングアルゴリズムとして,時間構造化ネットワーク上の交通配分(TSA)手法を提案する.時間制約パラメータとネットワークの構造化手法の導入により,経路選択肢集合が行動論的に解釈可能な形でシステマティックに限定され,サイクリック構造が除去されることで効率的・安定的な計算が可能となった.均衡配分およびnetwork-GEVモデルへの適用による数値計算から,周回経路が及ぼす交通量の過大推計・経路重複問題を解決可能であることを明らかとした.