土木学会論文集D3(土木計画学)
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和文論文
大都市圏における交通整備評価のための空間的応用一般均衡モデル
石倉 智樹吉川 光志
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2017 年 73 巻 4 号 p. 228-243

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抄録

 大都市圏における交通整備の空間経済分析にあたり,小規模な地域分割単位での基準均衡データが入手困難であるという課題や,集積外部性を考慮することの重要性が指摘されている.本研究は,集積の外部性を明示的に扱った空間的応用一般均衡モデルの枠組みと,詳細な地域分割単位に適用するためのキャリブレーション方法を組み合わせた,大都市圏における交通整備評価手法を提案する.本研究では,fixed effect gravityモデルにpseudo Poisson maximum likelihood法を適用することにより地域間の所要時間と輸送マージンの関係を推定し,実データが存在しない場合でも市区町村間レベルでの詳細な交易額を推定する手法を示す.さらに,構築したモデルを,首都圏三環状道路整備プロジェクトに適用し,本手法の有用性と課題について検討する.

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© 2017 公益社団法人 土木学会
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