抄録
近年,地方都市の公共交通空白・不便地域の存在が,住民の自動車依存傾向を高めているものと考えられる.本研究は,宇都宮市における新規バス路線沿線住民に対して,健康意識に働きかけるモビリティ・マネジメントを実施し,その効果および個人属性に着目して健康意識と行動変容の特性を明らかにすることを目的とする.その結果,健康に関する動機付け情報は,自動車利用減少およびバス利用増加の方向に意識を変容させる効果が認められ,動機付け2か月後に環境意識は低下するものの,健康意識は自動車利用減少およびバス利用増加の方向で意識変容が継続していることが明らかとなった.また,カロリーコントロールの方法,外出目的別の行動変容意向について,個人属性による特性の違いが明らかとなった.