2017 年 73 巻 5 号 p. I_711-I_715
我が国の自転車事故は交差点で発生する割合が高く,しかも,自動車の挙動によって衝突する自転車の進行方向に偏りが見られ,世界的に希な双方向通行の常態化が安全性の課題と考えられる.歩道での双方向通行が認められていることから,車道部でも左側通行を遵守しない自転車が多く,通行空間が確保された自転車レーンを逆走する自転車も見られる.本研究では,逆走自転車を自転車センサで感知してLED文字表示板を点灯させることにより警告を行う装置を開発し,徳島市内で整備された自転車レーンにおいて社会実験を実施した.パネルによる立会警告に比べると高いとは言えないものの,逆走自転車の低減に一定の効果は見られており,装置改善,安価化により補助的装置として活用が可能と考えられる.