抄録
東日本大震災発災直後,救命救助などの活動においてヘリコプターが活躍した.大規模災害が予測されている南海トラフ巨大地震発災後においても,ヘリコプターは重要な役割を担うと考えられるが,ヘリコプターの拠点空港の被災や場外離発着場での給油施設の有無など,救助人数に影響すると考えられる要因が数多く存在する.そのため高知県内のヘリコプターによる救命救助活動においては,県外の高松空港や松山空港などの活用が検討されており,2ヶ所の場外離発着場に給油施設を設置することが検討されている.本研究では,広域災害時におけるヘリコプターの運用方法に関するシナリオを複数作成し,マルチエージェントシミュレーションモデルを用いて救助可能人数を算出し,効果的なヘリコプターの運用方法について検討した.