抄録
本研究では交通流状態,道路構造および道路環境の諸要因が事故発生リスクに与える影響について事故の重大性の程度別に把握することを目的とする.具体的には,都市高速道路の追突事故を対象として,物損・軽症・重症/死亡の3つの事故重大性の程度に類型化をおこない,交通流,道路構造および環境の各種要因と事故発生リスクとの関係を一般化線形モデルを用いて分析する.その結果,物損事故および軽症事故では渋滞流下で高い事故発生リスク値を示すものの,重症以上の事故では混合流において事故発生リスクが高まることを示した.さらに,物損事故および軽症事故では大型車混入率の増大によってリスク値が低下するのに対して,重症以上の事故では大型混入率40%超にて事故発生リスクが有意に高まることを示した.