抄録
性能照査型道路設計では,どのような指標で性能照査を行うかが重要となる.しかしながら,トラフィック機能だけでなくある程度のアクセス機能も求められる一般道路の性能照査では両機能の特性を十分に把握できていない状況にある.既往研究では,トラフィックおよびアクセス機能の特性はトリップ長分布で近似できるとされているが,精度良く推定する手法が確立していない.本論文では,性能照査型道路設計で必要となるトリップ長分布をプローブデータから推定する手法を構築する.具体的には,埼玉県春日部市から千葉県白井市間の国道16号をケーススタディとして,1ヶ月分のプローブデータを用いて,多峰性や非対称性などの複雑な形状を有するトリップ長分布を混合正規分布モデルにより推定した.