2018 年 74 巻 5 号 p. I_1315-I_1325
交差点の安全性や効率性について,交差点構造や現示パターンに着目した研究はあるが,信号灯器の位置に着目した研究は少なく,灯器位置の違いによる運転挙動の違い等の知見も十分に得られていない.そこで本研究では,信号灯器の位置の違いや異なる交差点タイプの混在による,運転挙動や行動判断,反応時間の違いについての有用な知見を得ることを目的とし,信号灯器の位置が運転者に与える影響について,ドライビングシミュレータを用いた実験により得られた運転挙動データを分析した.信号灯器の位置は,現在日本で主流の交差点の右手前・左奥と,ドイツなどで主流の交差点の左手前で実験を行った.分析結果より,通過・停止の行動判断や,停止・発進時の反応時間に違いがみられ,異なる交差点タイプの混在は危険な挙動を引き起こす可能性を示した.