土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第35巻(特集)
シェア型自動運転車による自動車利用変化―空走時間発生による環境負荷への影響―
香月 秀仁東 達志高原 勇谷口 守
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2018 年 74 巻 5 号 p. I_889-I_896

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抄録

本研究では自動車の自動運転(adus),およびシェア交通という2つの要素に着目し,それらの要素が融合した新交通サービス:Shared-adusの運行を想定する.この交通サービスでは車両が乗客を乗せずに走行する「空走時間」が発生し,環境負荷を増大させる可能性がある.そこで,空走時間を含めた車両の走行時間について,運行方式およびサービスレベルの設定による走行時間の変動を推計するとともに,都市構造と環境負荷の関係について検証を行った.主な結果は以下の通りである.1) Shared-adusの運行によって車両によるCO2排出量は現状の1.6~1.7倍程度に増加し,2) その内の約1/4は空走によって発生する.3) サービスレベルを高めるほど,車両によるCO2排出量は増加する.4) 人口密度が比較的低い地域において空走によるCO2排出量の割合が高くなる傾向が見られる.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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