抄録
超高齢社会を迎えて,高齢者の徒歩圏内の生鮮食料品の買い物,医療等のための必需施設及び移動手段の希薄により生ずる買物難民,医療難民,引籠り等の防止並びに高齢者の健康寿命の延伸,健康増進,生活習慣病・介護の予防等に必要な身体活動(国の「健康づくりのための身体活動基準」)の確保が喫緊の課題となっている.そこで,自転車(特に電動アシスト付)が,身体活動の可能な高齢者の自助による徒歩圏外への外出の移動手段となると同時に,健康増進,生活習慣病等の予防のための身体活動となる可能性について研究した.具体的には,日本一健康文化都市を目指す静岡県袋井市を対象に,高齢者の市民及び電動アシスト自転車の利用者に対するアンケート調査を実施し,高齢者の外出の足及び健康増進の手段としての自転車の活用可能性を明らかにした.