2019 年 75 巻 5 号 p. I_555-I_563
携帯電話基地局の運用データを基にした人口流動統計(OD量)を用いて移動経路の推計手法を開発すれば,国内最大規模のサンプル数を基にした24時間365日ごとの出発エリア・到着エリア別移動経路を把握できる.本論文はその推計手法を提案および比較分析した.本論文では,人口流動統計を生成する過程で,位置登録信号が観測されたエリアを通過エリアとして出力し,移動経路を推計する手法を提案した.具体的には,出発エリアから到着エリアまでの移動中に観測された位置登録信号を通過エリアとして抽出し,通過エリアを地図情報と照らし合わせて,移動経路を推計する手法を考案した.比較分析として,既存調査と比較分析を行ったところ,高速道路の利用割合が整合する結果を得た.