抄録
セグウェイに代表されるパーソナルモビリティ(PMV)は,コンパクトで小回りが利き,環境性能に優れた手軽な交通手段として着目されている.普及には,客観的な安全性の確保のみならず,社会環境として PMV が歩行者の周りを走行する状況に対する歩行者の主観的な社会的受容性を検証すべきである.本研究では社会的受容の構成要因の 1 つであるリスク認知に着目し,歩行者と混在する PMV に対する,車種,歩行者属性に応じた歩行者のリスク認知特性を調べることを目的とする.形状の異なる PMV に対するリスクを尋ねるアンケート調査を実施した.因子分析の結果,座位タイプは立位タイプに比べて安全で信頼があり,リスクが小さく認知されることが明らかになった.歩行者の属性(PMV の認知度,普段の歩行頻度等)による違いも明らかになった.