土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第36巻(特集)
地方中核都市における環状道路の機能と通過交通の実態分析
後藤 梓小木曽 俊夫牧野 浩志池田 裕二榊 真牧 佑奈
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2019 年 75 巻 5 号 p. I_681-I_691

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抄録

環状道路は,都心から通過交通を排除するという重要な機能を持つが,わが国の地方中核都市では,環の大きさや走行性能などの状況が様々であり,期待される機能を十分発揮できているか疑問が残る例もある.そこで本研究では,環状道路の効果や課題を把握するために有用な事例を提示することを目的として,地方中核都市の通過交通の実態分析を行った.まず環状道路による通過交通排除機能と分析手法の整理を 行った上で,ETC2.0プローブデータを活用して,実際の都市の都心通過交通の混入割合や環状道路経路分担率を分析した.その結果,環が大き過ぎると環状道路内部に起終点を持つ通過交通が起こりやすい傾向や,環状道路を利用する際の距離増や所要時間短縮の程度によって通過交通の経路分担率が左右される可能性が高いことが示された.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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