抄録
近年,地域住民の参加・参画による協働まちづくりが進展している.移動手段の確保に関して言えば,路線バス等の廃止代替交通として,自治体の支援のもと,地域住民が運営に対する参加や主体となる例がみられる.このような背景のもと,こうした住民組織によって運営されるケースにおいて,生活交通の利用による主観的幸福感向上効果について明らかにすることを目的とする.分析は高齢者を対象とし,共分散構造分析による分析を行った結果,こうした生活交通を必要としている高齢者による利用は,移動に関する満足度や地域とのつながりと関連することで,主観的幸福感向上に寄与する可能性を示した.