2019 年 75 巻 5 号 p. I_847-I_860
車を利用できない住民に対して活動機会を保障するためには公共交通サービスが不可欠である.限られた予算の下で効率的に公共交通サービスを提供するためには,住民の外出パターンの的確な把握と,それを踏まえてどこにどの程度のサービスを供給すべきかの指針が必要になる.本研究では,交通政策担当者が容易に入手できるデータから効用最大化行動仮説に基づいて住民の外出パターンを推計する「外出パタ ーン推計モデル」,および,外出パターン分布から最低限の活動機会を保障するためのバス運行便数を求める「運行ダイヤ設定モデル」を構築し,実証分析を通じてその有用性を確認した.