2020 年 75 巻 6 号 p. I_329-I_338
高速道路ではICとは異なる救急車専用の緊急入退出路を設置し,救命救急に貢献している.しかしながら,高速道路会社管理道路では緊急入退出路の設置は全国でわずか17箇所に留まっており,今後の更なる整備が望まれるが,整備に向けた実務的な面での検証は十分ではない.本研究では,緊急入退出路の整備経緯や利用実態を明らかにしたうえで,新規設置に向けた検討を行う.具体的には,整備に関する議事録等を基に,整備の動機や整備の流れを明らかにし,また,対象病院への搬送データ等を基に利用実態を明らかにする.それらの結果を基に新規設置のために必要な条件について言及するとともに,その条件を満たす効果的な新規設置検討箇所について明示する.