2021 年 76 巻 5 号 p. I_1287-I_1295
わが国の地方部での人口減少により,地方都市の過疎化や消滅が懸念される中,国土のグランドデザイン 2050 では,生活に必要な機能をコンパクトに集約し,それらを交通や情報のネットワークで連絡する「コンパクト+ネットワーク」の地域形成を提唱している.ここで道路交通でのネットワークを考えると,コンパクトに集約した拠点間をどの程度のサービスで連絡するのかが明らかでなければ,これの実現は困難である.本研究では,実データから明らかとなる現状の都市間サービスを踏まえ,実現可能な目標旅行時間を念頭に分析を行った.その結果,県を形成する都市間では,都市間距離が 50km で目標旅行時間が約 60 分であることを明らかにした.さらに,この目標を達成するために必要な幹線道路の整備量を,簡易なネットワークを用いて試算した.