2021 年 76 巻 5 号 p. I_1341-I_1351
本研究では,小学校・中学校・高校での通学手段・経験が,大学生の歩行量,様々な交通手段の抑制意図および利用意図・態度に与える影響を計測し,その関係性を明らかにすることを目的に,筑波大学の新入生対象のアンケート調査 (n=1395) を行った.その結果,1) 小学生・中学生の時に徒歩通学をしていた男子大学生の歩行量が多いこと,2) 過去に公共交通による通学を行っていた大学生は公共交通の利用意図が高いこと,等が統計的有意に示された.これにより,過度な自動車依存抑制や歩行量増加による健康増進には,子どもの頃に公共交通や徒歩での移動を習慣付けるための施策が重要である可能性が示唆された.