2021 年 76 巻 5 号 p. I_327-I_338
様々な新技術の進歩に伴い買い物を取り巻く環境が大きく変化しつつある中で,人口減少に対応しながら購買環境を充実することが求められている.一方で,購買環境に対する評価は個人の価値観により異なる.そこで本研究では,一定程度価値観を共有するであろう「世代」に着目し,今後の購買環境を検討する参考情報を得るため,購買環境に対する満足度について「時代,年齢層,世代」の 3 つの軸から比較した.また,その要因を行動や意識から考察した.結果,購入する品目ごとに傾向が異なるうえ,年齢層はもちろん同一年齢層を追跡した場合と同一世代を追跡した場合とでも異なる傾向が示された.したがって,購買環境を把握するためには,定量的・客観的な要素だけでなく個人の価値観による定性的・主観的な要素まで把握する必要性が示唆された.