2021 年 76 巻 5 号 p. I_667-I_678
我が国では,この50年の間にライフスタイルが大きく変化しており,交通行動にも影響を与えている.本研究では,1968 年から 10 年毎に大規模な調査が継続的に実施されてきた東京都市圏 PT 調査データに基づき,30 歳代を中心とした若い女性に着目し,子育て世帯の交通行動実態及び社会状況変化に対応した女性の交通行動変化を分析した.その結果,子育てをしながら就業を続ける若い女性は子育てと仕事に時間が取られ,社交娯楽などの自由な動きが制約を受けていることを明らかにした.更に,家族形態毎の交通行動実態,特性を踏まえて,子育てをしている女性の生活環境改善のための方向性を考察した.