2021 年 76 巻 5 号 p. I_823-I_836
訪日外国人のレンタカー利用を促進する上で,国籍・地域別の利用実態を把握することは重要である.本研究の目的は,訪日外国人のレンタカー利用による地方観光地への観光客誘致を促進するために,個人属性の特徴を示した上で,それらに基づいた訪問地の違いを明らかにすることである.具体的には,訪日外国人消費動向調査の個票データを用い,訪問地域割合から国籍・地域を類型化し,さらにETCデータを用い,国籍・地域別の訪問地パターンを類型化することで,訪問地の違いを明らかにする.分析結果より,訪問地域が経年で変化している国籍・地域があること,マレーシア,タイ,シンガポール,アメリカは高速道路の平均走行距離が長く,広範囲を訪問する訪問地パターンの利用が多いことを明らかにした.