2021 年 76 巻 5 号 p. I_977-I_986
都市間旅客交通サービスの提供には,インフラや基礎的な資材・人員調達のための多額の固定費用が必要であり,需要規模を見通して持続可能なネットワークを計画することが必要である.その際,リンク毎に速度や基本的な費用が異なるサービスが提供され,各OD間の旅客はそれらを適宜組み合わせて移動を行うことに注意する必要がある.本研究は,複数交通モードの統合利用を前提としてネットワーク構造と費用負担の同時最適化を行う先行研究の二次錐計画モデルを出発点として,ネットワークの固定費用を運賃によって負担させるスキームを複数設定できるように拡張し,最適ネットワーク構造の違いを分析する方法を提案した.また,2つのケースに対して仮想ネットワークを設定し,費用負担スキームによる最適ネットワーク形状の違いを分析した.