2021 年 77 巻 2 号 p. 113-122
近年我が国では医療需要が増加しており,患者の利便性や医療従事者の負担軽減を目的にICTやMaaSの考えを取り入れたコネクティッド・メディスンの導入が進められている.また,COVID-19流行下では感染リスク軽減の効果から積極的な活用が期待される.そこで本研究では,独自のアンケート調査から得たCOVID-19流行前後でのコネクティッド・メディスンの利用意向の変化及びその要因を分析した.その結果,1) コネクティッド・メディスンの利点として通院や待ち時間が不要になること,欠点として診断の正確性が挙げられること,2) COVID-19流行によりコネクティッド・メディスンに対する利用意向が変化し,特にオンライン診療の利用意向で高い傾向を示すこと,3) 個人属性や通院行動,診療形態等によって利用意向に差異が生じることが明らかになった.