2021 年 77 巻 2 号 p. 97-109
大規模災害の被災世帯向けの仮設住宅の立地が,その世帯の将来の居住地意向に与える影響は,十分には明らかになっていない.本研究は,2016年熊本地震における益城町を対象に,仮設住宅の居住地区と災害公営住宅希望地の関係性を明らかにする.郵送調査の分析から,震災前に集落部に居住し,市街地部や大規模な仮設団地に居住する世帯は,仮設住宅の立地場所が災害公営住宅の希望地に影響を及ぼしやすい傾向が示された.さらに益城町役場職員等へのフォーカス・グループ・インタビューにより,震災前と異なる地区を希望する要因は交通の利便性,家族関係,震災を機にできたつながり,仮設暮らし,集合住宅のイメージ,元の地域とのつながり,勤務地の7つに整理できることを示した.