2021 年 77 巻 4 号 p. 346-354
国土形成計画をはじめとする様々な広域的な計画や業務において,地方ブロックは種々の意見衝突を経て上位計画として付与されるものであった.一方,地方における活動の担い手が減少する中では,各個人と地方との実質的なつながり(=訪問を通じた地域貢献)の中で地方ブロックをボトムアップの視点から再構成していくことが不可決である.本研究では,全国を対象とした関係人口の実態調査をもとに,主成分分析を通じて地方ブロックの逆推定を試みた.分析の結果,関係人口から国土の基本構造を規定する11の主成分軸が抽出された.あわせて,関係性という点で複数の地方ブロックに関与する地域や,むしろ相互に関係性を有しない地方ブロックの存在などが定量的に示され,今後の政策実践の上での新たな指針が得られた.