2022 年 77 巻 5 号 p. I_407-I_416
現在,我が国では,1970 年代前後に開発された住宅団地の多くで,高齢化や人口減少が進行しており,商業施設の撤退や公共サービスレベルの低下等の生活の質の低下が生じている.また,それらの問題が相互に影響しあい,負のスパイラルが進行している.そこで,本研究では,負のスパイラルを解消し,団地の再生を図るための施策を評価するため,商業施設立地を内生化した世帯マイクロシミュレーションモデルを開発し,愛知県瀬戸市の住宅団地に適用した.その結果,商業施設の立地誘導施策だけでは,立地が持続せず,交通施策や住宅施策等と併せ複合的に実施することにより,持続的な効果が得られることを示した.