2022 年 77 巻 5 号 p. I_417-I_429
本研究は,高齢者の内面的特性に着目した.本研究で扱う内面的特性は高齢者の各種活動への参加を阻害すると考えられる心理的要因のことである.これらの高齢者の内面的特性は「人と関わる意識の弱さ」,「諦めの強さ」,「自発的行動の無さ」,「周りへの流されやすさ」,「人に頼れない意識の強さ」,「人見知りの強さ」の6要因であることを示した.高齢者の内面的特性に対し車やバスといった交通手段が影響していることや,内面的特性が趣味活動の頻度等を低下させる構造について示した.さらに,高齢者の活動参加を促進するために必要な施策や施設利用について,高齢者の内面的特性の種類による違いを示し,内面的特性を有している高齢者に対して,積極的に活動への参加の勧誘,高齢者の性格や健康状態を受け入れることが重要であることを示した.