2022 年 77 巻 5 号 p. I_469-I_481
土地利用モデルのパラメータは,実用上の問題により,いくつかの段階に分けて推定・キャリブレートされることが主流になっている.しかし,理論的には一括で推定すべきパラメータを段階的に設定していることから,推定手法の信頼性は定かではない.そこで,本研究ではベイズ推定アプローチによりパラメータを一括で推定することを試みた.具体的には,設定したモデルに対して,パラメータ推定,変数選択,現況再現性の確認,反実仮想実験という土地利用モデルの計量分析における一連の手続きを行った.さらに,推定結果や従来手法との比較から,土地利用モデルのパラメータ推定法としてベイズ推定を用いることの優位性や将来性が示唆された.