2022 年 77 巻 5 号 p. I_521-I_534
本研究では,プローブ軌跡データと車両感知器を融合した交通状態推定手法を提案する.首都高速道路では,車両感知器を密に配置しているため,きめ細かな交通流が把握できる.しかし,全ての車両感知器を維持管理するには,コスト面で課題がある.一方,大量のプローブデータが,取得されており,活用法が模索されている.今後は,プローブデータを活用することで,現状の車両感知器を減らし,合理化を図ることが望ましい.よって,本研究では,車両感知器を間引いた状態を想定し,variational theory (VT)による交通状態推定手法を提案する.モデル検証の結果,交通管制の観点から,fundamental diagram (FD)をキ ャリブレーションすることで,VTは,現状の車両感知器と同程度の精度を担保することが確認された.