2022 年 77 巻 5 号 p. I_801-I_809
わが国では,通行機能が期待される多車線道路相互が接続する交差点において平面交差で処理されている場合も少なくない.信号交差点を立体交差点に改築することは信号による遅れを無くすことになり,高い潜在的性能を確保するとともに,交通量レベルの少ない道路においても一定の便益が期待される.本研究では,信号交差点の制御遅れに着目し,平面交差点を立体交差点に改築する場合の時間便益と事業費,維持管理費との比較の中で立体交差が成立可能となる交通条件を明らかにした.その結果,立体交差が成立可能となる交通量レベルは決して高くはなく,ピーク時交通量が自由流状態でも立体交差化は可能であることが明らかになった.また,この交通量レベルを満たす平面交差点は全国において数多く存在することが確認された.