2022 年 77 巻 5 号 p. I_787-I_800
本研究の目的は,モータリゼーションの進行した地方都市における LRT の特徴の説明実施による受容性向上の確認,LRT 受容性に関係する属性や意識の分析,それらの関係性の明確化である.本研究では前橋市を対象にアンケート調査を実施し,相応しさと賛否の 2 つの指標から LRT の受容性を把握した.自動車の運転動機が居住地選択に影響を及ぼしており,自動車保有率は非沿線居住者数と関係があった.また前橋市でも LRT の受容性が認められ,説明効果として中立的な回答になりにくいことが分かった.居住地に求める立地要件として郊外のショッピングセンターへ行きやすい地域を選択する人や買い物頻度が多い人,節約志向が高い人は LRT に賛成しやすいことが判明し,重要視されるべき施策は,定時性の確保や運行本数の増加などであることが分かった.