2022 年 77 巻 5 号 p. I_883-I_892
貨物集配中車両の駐車規制緩和の影響を分析するにあたり,駐車車両衝突事故,駐車違反取締りと自動車燃料消費量調査のデータを利用して,貨物車の路上駐車の現状を分析した.駐車車両衝突事故を集計したところ,2006 年の駐車対策法制施行後に大きく減少し,2019 年の一般道における駐車車両衝突事故は,2005 年と比較して,80%以上も減少していることが示された.路上駐車車両が貨物車であった駐車車両衝突事故は,乗用車と比較して,比較的高規格な道路で,昼間に多く発生していることが示された.また,全車種に占める貨物車の駐車違反取締り件数や走行台キロの割合と比較して,路上駐車車両が貨物車であった駐車車両衝突事故の割合は高くなっており,交通安全に配慮した貨物車の駐車規制緩和が必要であることが窺えた.