2022 年 78 巻 6 号 p. II_522-II_534
近年,地方の過疎化に伴い,各地において地元店舗の衰退が進んでいる.このような問題に対して,個別的なコミュニケーションを用い,住民の地元店舗での買い物を促す行動変容施策が注目されてきている.本研究では,地元店舗の利用促進に向けたコミュニケーション施策を実施し,それによる住民・店舗主の態度・行動変容の程度を定量的に把握すること,また地元店舗の店舗主の努力に向けた現状と課題を定性的に把握することを目的に,北海道豊頃町の店舗主・町民を対象にアンケート調査・インタビュー調査を実施した.その結果,1) 店舗主が客一人一人のニーズに合わせ,無料送迎や商品の取り寄せなどの様々な努力を行っており,また行政に対しては肯定的な意見を持っている者とそうでない者のどちらも見られたこと,2) コミュニケーションツールが地元店舗への態度変化や地域愛着の醸成を促し,それが地元店舗来店回数にポジティブに作用することなどが示された.