2022 年 78 巻 6 号 p. II_750-II_759
高齢者の衰弱化を予防するには,運動・栄養・社会参加をバランスよく取り組むことが重要であるが,特にプレフレイル層・フレイル層における移動手段の少なさが社会的な課題である.
本研究では,高齢者の新たな移動支援策として地域コミュニティでシニアカーをシェアリングする仕組みを検討し,名古屋市南区の名南中学校区で実証実験を行った.その結果,フレイル層の歩行困難者は外出範囲の拡大が期待でき,地域コミュニティで運用することで人とのつながりを拡大させる可能性を明らかにした.今後はシステムのパッケージ化や他地域での実証を積み上げていく必要がある.