2023 年 79 巻 14 号 論文ID: 22-14006
GFRP板の継手耐力は,GFRPの支圧強度,せん断強度に依存し,それらの強度は鋼に比べて相対的に小さいことから,GFRPの継手耐力も小さくなり,GFRP板と鋼板の継手における設計上の課題となっている.そこで,GFRP板と鋼板の接合部の継手耐力を向上させる方法として,鋼板接着で補強されたGFRP板の鋼添接板による接合方法を考案し,高力ボルトを用いた支圧接合・摩擦接合を,ボルト列数(1,2列)をパラメータとして実験的に検討した.その結果,鋼板をGFRP板に接着することで,先行するGFRP板の支圧破壊を防止でき,継手耐力を増加させることが可能であること,鋼板接着で補強されたGFRP板の継手の破壊荷重は,鋼板とGFRP板の接着破壊が支配的であり,本実験の条件では,ボルト列数には依存しないことがわかった.