緊急仮設橋に要求される性能は強度や耐久性よりも架設の容易さや架設時間が短いことが重視される.著者らは架設時間の短縮化を目指し,折り畳める新しい木製トラス橋を開発中である.これまでに実物大モデルによる実験を行い,短時間架設,作業の容易性を実証した.しかし,完成した橋梁の連結部には,各部材を連結してトラスパネルとする接合鋼板,トラスパネルを連結する蝶番,展開後トラスパネルを固定する連結鋼板の3種類を必要としていたため,重量増,コスト増の要因となっていた.そこで本研究では,これらの連結部の合理化を目的とし,部材接合と折り畳みの両機能を備えた蝶番を新たに考案した.この蝶番は下弦材連結部において大きな引張力を受けるため,その強度を載荷実験により確かめ,更に折り畳み-展開の作業性,作業時間を検証した.
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