2023 年 79 巻 15 号 論文ID: 22-15019
SPH 法,MPS 法などの粒子法は,一般的に着目粒子から近傍粒子までの距離に応じた固定したカーネル関数(重み関数の一種)を使った内挿近似を行うため,規則的な粒子配置の場合のみ,計算精度が担保される.粒子法による流体解析では,粒子配置が乱れるほど近似精度が低下するため,粒子配置が規則的な状態へと再配置を行う粒子のシフティング法と,微分作用素の離散近似モデルに対する粒子の乱れに応じた補正の併用が高精度化に繋がる.そこで本研究では,Taylor 展開の 2 次の項までを満足する 2 階微分モデルの提案を行い,提案モデルの精度検証として,複数の非線形関数による打ち切り誤差に関する検証と二次元正方キャビティ流れを対象とした解析を行うことで提案モデルの妥当性と優位性を示し,また既往の SPH 法モデルとの差異を議論した.