2023 年 79 巻 17 号 論文ID: 23-17022
現在気候および将来4度上昇におけるアンサンブル波候予測データセットにより,苫小牧港西港区および紋別港の気候変動による荷役稼働率の変化を分析した.苫小牧港西港区については,岸壁の年平均稼働率は上がり,紋別港については,気候変動による流氷の減少に伴ってフェッチが増加するため,来襲波高の増大から稼働率は下がる.さらに,波候予測データは観測値よりも多くのデータを有することから,これまでの平均値の評価だけではなく確率的な評価も可能となり,目標とする稼働率によって気候変動の影響が異なる場合があることが明らかとなった.