2023 年 79 巻 17 号 論文ID: 23-17078
茨城県の日立市沿岸では,泥岩(軟岩)主体の堆積物(多賀層群)が波蝕を受けて海蝕崖が発達している.岩石強度が相対的に大きな場所では大規模な海蝕洞が形成され,それが背後地深く侵入している.そこで2018年と2019年に田尻地区で海蝕洞の現地調査を行った.また,海蝕洞の3次元形状を3-D laser scannerにより測定した.海蝕崖には規模の大きな海蝕洞が2か所で発見され,北海蝕洞は間口が22.53m,地上から海蝕洞の頂点までは11.05m,奥行が44mであった.一方,南海蝕洞は入り口から約38mまで細長く伸びていた.