2023 年 79 巻 17 号 論文ID: 23-17094
苫小牧港では,航路埋没の問題をうけて漂砂機構の解明に取り組み,吹送流を考慮した地形変化予測計算により再現性の向上が図られてきた.苫小牧港では長周期波による船体動揺も課題であり,漂砂対策には港内静穏度への影響が小さいことが求められている.そこで港内静穏度への影響が小さい潜堤とサンドポケットを組み合わせた漂砂対策施設を提案した.吹送流を考慮した多層モデルにより,潜堤による設置初期の漂砂対策効果と潜堤前面の土砂堆積による機能劣化を明らかにした.サンドポケットを付加した潜堤で機能劣化を防ぐことにより,漂砂対策と港内静穏度の維持が可能である.