2023 年 79 巻 17 号 論文ID: 23-17134
近年,働き方改革に伴う作業の効率化が課題となっており,捨石均しにおいては重錘式捨石均しが採用されている.しかし,重錘落下に伴う捨石マウンド上の流れによって,天端面の小さな捨石が飛散するなど,作業効率の低下が懸念されている.その対策として,重錘に孔を設けることで発生流速の低減に着目した.本研究では,改良型重錘による重錘式捨石均し時の発生流速に対し,模型実験,数値計算および現地実証で検討し,現象を明らかにすることを目的とした.模型実験による発生流速の計測と,数値計算による検討結果から,重錘底板に設けた孔から上向きに抜ける流れ,水平方向の流れ,透過構造物に浸透する流れに分散されることで,発生流速が低減できることがわかった.また,実施工の現地実証試験においても発生流速が低減することが確認できた.