2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18002
津波発生時に船舶が港湾内で漂流した場合,他船舶との衝突や岸壁への乗り上げ等により港湾内での被害が増大する可能性がある.海・船の視点から見た港湾強靱化のため,緊急避難しやすい水域施設のあり方の検討が必要となっているが,そのためには実際の津波発生時の船舶の避難実態を踏まえることが重要である.本研究は,今後各地で実施される緊急避難円滑化のための取り組みの参考情報を提供することを目的に,東日本大震災時の津波から避難する際の地震発生から港外到達までの船舶挙動について,苫小牧港,鹿島港,川崎港のAISデータから分析した結果を提示するものである.