2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18020
静岡海岸の北東側に隣接する清水海岸では,sand bodyの移動遅延が起きている.一方で清水海岸北部で砂礫を採取し,それを上手側に投入するサンドリサイクルが侵食対策として進められ,それによりようやく海浜が維持されている.しかし,本来的には,沿岸漂砂により安倍川起源の砂礫が自然に運ばれる姿を取り戻すことがsustainableな海岸保全を進める上で必要である.そこで,静岡・清水海岸の境界付近でのsand bodyの移動に伴う海浜地形変化について,既応深浅測量データの解析,衛星画像の比較,UAVによる地形測量,および現地調査により調べた.この結果sand bodyの移動遅延は離岸距離の短い離岸堤が設置されていることによることが分かった.