2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18061
有義波高予測は船舶の航行可否,海上工事の施工可否の判断基準等の様々な場面で用いられている.さらに,洋上風力発電の大規模開発などに伴う海上工事の施工数増加により,数時間から数日程度先の短期間波浪予測の需要が増大することが考えられる.一方で,現在の主流となっている全球波浪モデルに加えて,より低廉な計算コストでの予測が可能となる機械学習を用いた手法に関する研究が盛んに行われているが,深層学習を用いた波浪予測は定点予測が多く,2次元波浪場を予測した研究事例は少ない.そこで,本研究では,第3世代波浪推算モデルSWANの数値計算値を学習データとして,畳み込みLSTMを用いた2次元波浪場の予測を試みた.その結果,1~3時間後の短時間有義波高予測において,SWANによって算定された有義波高データの入力のみで比較的高精度な波浪予測が実現できた.