2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18108
海域沿いに築造する仮設道路工では,沖側法面を袋詰め玉石工を積層して被覆・保護する事例が増えている.袋詰め玉石工とは中詰め材を合成繊維ネットの中に詰めた資材である.迅速な施工にメリットがある.また,筆者らは従来よりも高い耐波安定性が期待できる高拘束型袋体を開発した.本研究では,仮設道路の法面を高拘束型袋体で被覆した場合の耐波安定性を検討した.堤体断面の実験では,KD値=12~13,波の反射率KR=0.25~0.45が確認された.また,高拘束型袋体は従来型袋体と比較して高い耐波安定性を示すことを確認した.KD値の計算では波高のみがパラメータである.しかし,本研究では周期による安定性の違いが示唆された.そこで不規則波エネルギーと被災率で評価した結果,良好な関係性が得られた.