2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18124
海水域のみならず,淡水も含めた低塩分な領域における炭素貯留効果が注目されているが,現在確立しているのは海草・海藻藻場における年間の炭素隔離量の推定手法のみである.そこで,本論文ではすべての水域に用いることができる手法を開発し,検証することを目的とした.北海道・コムケ湖におけるアマモのDIC方程式を用いて,光量子束密度や水温,アマモの現存量の変化を仮定し,1年間のDICの変化量を推定したところ,いくつかの改善点はあるものの,過去の研究でのリーフマーキング法による北海道・厚岸湖や全国平均の純一次生産速度の推定値と比較して良好な結果を得ることができた.提案手法は植生密度や長さを定量的に容易に把握できるという利点を有しており,新たな手法となる可能性が示された.