2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18167
津波漂流物の影響評価においては,所要の安全性の確保と合理性および効率性の両立が重要であるが,こうした観点を含む検討のための評価フローは提案されていない.本研究では,確率論的/決定論的評価の双方に対して適用可能な包括的な漂流物の影響評価フローと,フローの合理性および効率性を高めるためのスクリーニング手法を提案した.提案したフローは,両評価への適用性や実務での使いやすいさの観点から大きく3段階で構成され,定性的/定量的スクリーニングの考え方が組み込まれている.漂流物影響評価に関するスクリーニング指標を用いたスクリーニングを各段階で実施することにより,安全性を担保した上で漂流物の影響を合理的に絞り込むことが可能となり,評価に要するリソースの削減を通して効率的な評価が可能となることを示した.