2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18180
2011年の東北地方太平洋沖地震では,津波により屋外石油タンクに漂流等の移動被害が発生した.津波被害を受けた石油タンクのうち約70%が500kL未満の小型タンクであると報告されており,これらの津波被害を予防・軽減するために,津波時の安全対策を講じることは極めて重要な課題の一つである.著者らは小型タンク本体への津波対策として,耐久性(耐食性),施工性および強度に優れた炭素繊維シート(CFRP)による二つの滑動・漂流防止対策工法を提案している.そこで本研究では,鋼製の実大タンクをRC基礎スラブに据え付けた津波時における大規模水理実験を実施することにより,提案した二つの対策工法の有効性について確認するとともに,水理実験の再現解析についても検討をおこなった.