2023 年 79 巻 20 号 論文ID: 23-20009
運転停止後の交通手段と高齢者の活動性低下の関連,交通手段利用に関連する環境要因の検討の 2 つの分析を行った.地域在住高齢者を対象として 2 回実施した自記式調査の回答者のうち,生活基本動作が自立し,1 時点目に自家用車を運転し 2 時点目に運転していなかった 2,579 名を主たる分析対象とした.1 つ目の分析の目的変数は外出頻度の減少,歩行時間の減少の 2 つとした.主たる説明変数は公共交通,同乗,自転車の利用状況とした.2 つ目の分析の説明変数は運転後の交通手段,主たる説明変数は徒歩圏内の駅・バス停,生鮮食料品店の数とした.公共交通や自転車の利用をしていることは外出頻度と歩行時間の維持に有意に関連していた.また公共交通利用には徒歩圏に駅・バス停があること,自転車利用には生鮮食料品店があることが関連していた.